以前働いていた結婚相談所は、入会時と活動時の担当は別々のスタイル。その為、基本的には実際に活動開始まで担当会員さんに会うことはない。もちろん事前に連絡を取り合うこともない。
しかし、ある日のこと。
原稿用紙2,3枚くらいはあるのではないかというボリュームのメールが梅子宛に届いた。
メールにはお相手に対する希望と、なぜそれを希望するのか自分の想いが書き綴られていた。
会員専用ページからは担当が確定次第、直接担当宛に連絡ができるようになっているが、後にも先にも初回面談前にそんなメールが届いたのは初めてだった。
とにかく、メールのボリュームにただただ驚愕。条件の多さにも驚きだが、希望条件の細かさにも驚愕。
正直最初にメールを目にした時の本音は・・・
め、めんどくさっ。
しかも当時、彼女の年齢は38歳くらい。なかなかの厳しさ。まぁ、かなりの美人ではあるらしいが。
に、してもだ!!
「まさかこの条件を呑んで入会させてないよね!?」と真っ先に言いたい気持ちを抑え、とにかく入会担当にメールの件を報告。入会担当もびっくりしてたけど、とりあえずやるしかない。
いつも言っていることだけど、婚活するうえで条件を好き勝手言うのは構わない。但し、全ての条件を満たした人なんてそもそもいないし、いても本当に稀。夢見る夢子ちゃんの場合、そこんところをわかっていないし、彼女のように「何故その条件が必要か」理由を述べられない。
もし仮に希望通りの条件を満たした人がいたとしよう。100歩譲って紹介はできる。
しかし、需要と供給が一致しなければ、そもそもお見合いは成立しない。
(ごく稀に婚活超初心者、かつ、とりあえずまずは会ってみるスタンスの人なら、活動スタート時に紹介できればお見合いが成立する可能性もゼロではない。←そこ狙いで上手くいけばラッキー)
ちなみに、この彼女の希望条件。はっきりと思い出せないが、学歴は旧帝大以上。年収も自ずと高く、海外留学や駐在経験があったりといわゆるエリート希望。その他、内面的な部分でもとにかく細かい条件が多々あったが、婚歴は逆にあった方が良い、子ありについてはさほど気にしないとそこは寛大。
さて、このギャップ調整をどうするか頭を悩ませつつ、彼女との初回面談日を迎えた。
これは梅子の婚活屋としてのポリシーだが、否応なく入ってくる前情報(今回の場合、希望条件が多すぎるとか、入会担当さんから伝えられた本人に関する情報、それらから勝手にこんな人じゃないかという決めつけや固定観念)については、注意事項以外一旦リセット。
初対面の人と会う時は、考えや価値観は他人なんだから違って当然、不思議に思うなら何故そう思うのか聞き、「そういう考えもあるな」「こういう人なのね」と受け止めるようにしている。
(そも違う価値観をした人と会い、理解してみようとすることは、色々な発見があるから何だか楽しいのに、上手くいかない婚活者達はそれを良しとしないことが多いよね。ってこれもまぁそういう価値観だから認めるしかないけど。)
話を戻そう。
ついに希望条件が多すぎる彼女と対面。色々話してみたら、いつもの悪い癖が出て、一瞬でファンになってしまった。
めちゃくちゃ素直な人やん!!
美人度も半端なさすぎるー。
おない歳なのに、何なんだ、この透明感!
仕事も努力と人柄で、特殊なキャリアを積んできた彼女。聡明でエリート達を楽しませられるほどの教養や品格も備わった、とっても素敵女子ではないか!
彼女を知れば知るほど、梅子が惚れてまうやろー。
こ、これは、きっと成婚するな。
と、こんな感じで婚活屋を一瞬で虜にした、希望条件が多すぎたこの彼女。活動してからも本当に色々とあったが、まとめるのにエネルギーが必要なのと、長くなりそうなので、後編に続きます。
ちなみに・・・この彼女との出会いが婚活屋としての梅子の色んな軸を作ることになろうとは、この時はまだ知る由もなかった。
コメント