希望条件が多すぎた人(後編)

婚活アドバイス

初回面談前に、とんでもない程の希望条件を送ってきた彼女。(希望はあくまでも希望。全てを満たす人なんていないことは彼女もきちんとわかっている。)

会ってみれば、魅力たっぷりの素敵女子すぎた。

彼女なら、きっと戦い抜ける!

とは思うものの、アラフォー女子達の婚活を苦しめるのは年齢の壁。いくら魅力たっぷりの美人さんでも苦戦するかな~と思いきや!!

そもそもほとんどOKを出さない、かつ、同世代になんて絶対OKを出さない強者揃いの超ハイスペ男性達を紹介したら、全員が彼女とお見合い希望。

「フフフ、ハイスペ達よ。写真とプロフだけでも彼女が素敵女子だと伝わったか!」と喜んだのは梅子だけ。

彼女からは、まさかの全員NO!
(アラフォー婚活女子あるある)

あなたの希望をある程度満たしている、選りすぐりのハイスペ達なんですけど。ひとりくらいOKしてもよくね!?(梅子心の声)

とりあえず、どこが気になるのか知りたくて、彼女を即お呼び出し。面談で何が気になったのか、色々な角度から聞いてみても「何となく違う」という感じのふわっとした回答。
(これまたアラフォー婚活女子あるある)

年齢が少し上とか言ってたけど、「え・・・5歳も離れてないですよね」とかそんな感じでのお断り。まぁ、これはたぶんウワベの理由で、恐らくはタイプではなかったのだろう。

これ、一番あかんやつやん。

活動の軌道修正はお早めに、だな。

そんな時、お相手担当から「再考してもらうことは難しいか」と連絡もあったので、一応聞いてはみたものの、どうも頭で考えて先に進めない様子。

とりあえず、今回は全員NOでもいい。希望条件の中で本当に大事なものが何か、実際に会ってみることでみえてくる。次は頭で考えず、まずは会ってからどう感じるか考えてみて、と話した。

そして次の紹介日まで、とにかく彼女が気に入りそうなお相手を必死に探した。

すると・・・なんてことでしょう。

1人、いたーーーーーーっ!!
(彼のプロフィールに後光がさして見えたわ、笑)

おない歳で東京にある旧帝大卒、超一流企業勤務、年収も4桁超え。彼女と同じく聡明で素直、紳士って言葉が何だかしっくりくるし、お互いが求める相手像にも結構合致している。

しかもこの男性。梅子の狙う、デビューしたての婚活超初心者なうえに、素直な人に多い「まずは会ってみてから」なスタンスを持っていそう。

この人を逃したら、多分あとはないな・・・

 ということで、早速お相手担当に彼女の良さをプレゼンし、紹介したいと伝えたら余裕でOK。

そして、いよいよ紹介日。ドキドキしながら彼女の返事を確認すると、その日のうちにお見合い希望の返事をしてくれていた。

す、素直すぎる。

、しかし!!

まずはお見合いが成立してから。話はそれからだ。

お相手の返事をドキドキしながら待っていたら、紹介日から3日後にはお見合いをしていた二人。実際に会ってみたらお互いかなりの好印象で、これまたあっさり交際成立。(お見合い中に、次会う日を決めていた様子)

交際中も短時間でもいいから会って、会って、会って、と、ものすごい頻度でデート。そんな感じなので、真剣交際をすっ飛ばし、当時の梅子の交際成立から成婚までの最短記録(3週間ちょい←はっきり日数を覚えてない。ちなみに最短記録はその後7日で成婚したカップルに塗り替えられた)を作り、あっさり成婚。

出会ってからは、本当に早かった。

その後も親への挨拶など順調に済ませていたが、ある日梅子のもとに深刻なメールが届いた。

どうやら男性の親がとても厳格な方のようで、結婚を反対されている様子。(男性はバツイチ。離婚問題とか子供のこととか、その他にも彼女のこととか色々な要素で反対していたみたい。)それでも何とか頑張っていたようだが、届いたメールの最後に「今日、会えませんか」とあった。

幸い、その日は時間の余裕が少しあったので、彼女と会うことにした。

結婚したいし、自分の子供も授かりたい。しかし、二人を取り巻く色々な事情で、思い通りに進まない現状。詳しい事情は言えないが、懐の深い彼女だからこそ厳しい現状を受け入れ、二人が幸せに生きていける方法を模索しつつもポキッと心が折れそうになり、誰かに話を聞いてもらいたかったのだろう。

ポツポツと泣きながら、「好きだけど、もう別れるしかないのかな」と口にした。彼のことが大好きだというのは話からも伝わってくるから、梅子も切ない。彼女の話をひたすら聞いているうちに、思わず涙がこぼれてきた。

「ここからは婚活屋としてではなく、ひとりの同級生として言うね」と前置きし、彼女にこんなことを伝えた。

「もし本当にどうしても無理だと思うのなら、別れるのもひとつ。けれど、彼も別れることを望んでおらず、この年齢で大好きな人に巡り合えたのだから、結婚とか籍を入れるとかそういう形に拘れずに彼と一緒にいる方法もある。焦る気持ちもわかるけど、状況は変わるかもしれないし、もう少しだけ踏ん張ってみたら」と。

その後も二人は紆余曲折あったけれど、40代に足を突っ込むか突っ込まないかという頃、子宝に恵まれ結婚。
(本当に色々なことがあったけど、割愛!)

時間はかかったけど、ようやく落ち着くところに落ち着いたふたり。

最後に彼女から届いた結婚報告のメールには、たくさんの親戚一同がとても幸せそうな二人を取り囲んだ、その場にいる人全員が笑顔の素敵な写真が添えられていた。

そして、メールの文中にこんなことが書かれいた。

「曾祖母から生まれた子供達が血を繋いでいき、そして今度は自分の子供へと繋がっていく・・・」

 何となく忘れていたが、結婚ってそういうことでもある。

当時の梅子は、40歳に足を突っ込むか突っ込まないかという年齢。子供はできたらいいが、きっと曾祖母からの血を繋いでいくことはできないだろうな、と腹を括り始めたお年頃。上手くは言えないけど、「自分が婚活屋として関わった人達がこうやって血を繋いでいってくれれば、それはそれで自分がいた意味があるのかもしれない」と、そんなことを考えさせられた。

希望条件が多すぎた彼女との出会いは、梅子にとっても有意義な出会いであったことは間違いない。

最後に。

婚活屋の仕事は、「素敵な仕事だね」と言われることが多く、婚活屋って「自分もできるのでは!?」と思う人もいるかもしれない。正直なところ、婚活屋の仕事は骨折り損なことが大半。それは仕方のないことだし、24時間会員さんのことが気がかりで「どうしたらいいか」と、つい考えてしまう婚活屋は案外多いと思う。(自身の性格のせい!?)

下世話な話だけど、会社員時代は特にやる事多すぎて、時給換算すると泣きそうって思った。会員さんに正論言って、へそを曲げられたことだってある。会社員時代は理不尽な理由で、「気に入らない!」と担当を変えられたことだってある。

「そんなだから結婚できないのよ」と上から言い放ったり、「私の言うことが正しい!私の言う通りにしなさい!」というゴリ押しの婚活屋もいるが、梅子はそういうスタイルではないので、モヤッとしても受け止めるしかない。

誰かが「婚活屋なんて変態のやることだ」と言ってたけど、そうだと思う。でも、やはりこういう瞬間を共有できるから、まだ婚活屋を続けているんだろうし、この仕事に意味を見出しているのだと思う。

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